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かき氷屋さん
2010年7月。 

奇数月第三土曜日のまーるいイベント、フラループでのおえかき。

@神戸三宮、SOUL BLOOD



かき氷屋さんは氷を掻くのが仕事。

掻かない、という選択肢はない。

物心ついたころからずっと掻いてきたし

それはもう義務のようなものだから。





かき氷屋さんが今手にしている氷は

見たことのないぐらい

とてもとても固くて大きくて

ちょっとやそっとじゃ削れない。

なんとかちょっぴり削れても

次の一掻きに手こずってると、

掻いた氷も溶けてしまって

お皿には水がたまっていくばかり。

水のたまったお皿に掻くから

いつまでたっても出来上がらないかき氷。





氷を水にしてばっかりで

いったいなにやってんだろうって

これじゃ後戻りじゃないかって

進んでないじゃないかって

できあがらないなら

なんのために掻いてるんだろうって

途方に暮れるかき氷屋さん。





きもちばっかり先走って

いちご味のシロップをかけてみるけど

ただお皿の中が赤く染まっただけだった。

まるで血みたいだなんて思ってみたら

それはほんとうに血に見えてきてしまって

こわくなったかき氷屋さんは、

おそるおそるその赤い液体をなめてみた。

なんのことはない、

それはやっぱりいちご味で

もうただの水ではないし、

もちろん血でもなかった。





かき氷はできあがってないけれど

氷から生まれるものはかき氷だけじゃないんだ。

だからまた掻いていこうって

掻くしかないんだって

かき氷屋さんは思ったんだって。





お皿に水がたまったら

飛んできた鳥にでもあげて

道ばたの花にでもあげて

空になったお皿に、

また掻いていったらいい。

ANN






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